ゼロから粗編集を自動化する実践手順書 — コピペで動かす【第10回】
Whisper・auto-editor・Premiere Proを使った粗編集自動化を、コマンドをそのまま貼り付けて実行できる形でまとめた実践手順書。概念説明なし、手を動かすことに特化。
第1〜6回で概念と仕組みを把握した。この回は実際に手を動かして完成させるための手順書だ。コマンドはそのままコピペして使える。
前提確認
まずツールが正しく動くか確認する。
ffmpeg -version
whisper --help
auto-editor --help
3つとも応答が返ればOK。エラーが出る場合は第2回の環境構築を参照。
テスト用素材を準備する
初回は30秒〜1分程度の短い動画でテストする。本番素材を使うのは動作確認が取れてから。
ファイルを /tmp/ に置くと作業しやすい。
cp ~/Desktop/test.mp4 /tmp/test.mp4
注意: macOSのスクリーン録画ファイル名には特殊スペース(U+202F)が含まれることがある。エラーが出たらファイルをリネームするか、Claude Codeに次のように頼む。
「~/Desktop/の中にある "Screen Recording" から始まるファイルを
/tmp/test.mp4 としてコピーするPythonスクリプトを書いて実行してください」
Step 1: ジェットカット(auto-editor)
auto-editor /tmp/test.mp4 --margin 0.2sec --edit audio:threshold=0.04 -o /tmp/cut.mp4
完了すると /tmp/cut.mp4 が生成される。
設定の見方:
--margin 0.2sec— カット前後に0.2秒の余白を残す(短くするとテンポが上がるが不自然になりやすい)--edit audio:threshold=0.04— この音量以下を「無音」と判定してカット
カット結果を確認して、不自然なら --margin を 0.3sec に変える。
Step 2: 文字起こし・SRT生成(Whisper)
whisper /tmp/cut.mp4 --language Japanese --model turbo --output_format srt --output_dir /tmp/
完了すると /tmp/cut.srt が生成される。
初回だけ時間がかかる: turboモデル(約1.5GB)のダウンロードが走る。ダウンロード後は次回から速い。
生成されたSRTファイルを確認する。
cat /tmp/cut.srt
固有名詞や専門用語が誤認識されている場合、Claude Codeに修正を頼む。
「/tmp/cut.srt を開いて、"クロードコード" という文字を
"Claude Code" に修正して上書き保存してください」
Step 3: Premiere ProでSRTをインポート
- Premiere Proでプロジェクトを開く
- ファイル > インポート(Cmd+I)
/tmp/cut.srtを選択して「開く」- プロジェクトパネルにキャプションクリップが追加される
- タイムラインにドラッグして配置
- キャプションパネルでテキスト・タイミングを確認・修正
- エッセンシャルグラフィックスパネルでフォント・色・サイズを調整
これで /tmp/cut.mp4 + SRT字幕がPremiere Proのタイムライン上に揃う。
Step 4: Claude Codeに全自動でやらせるプロンプト
Step 1〜2をClaude Codeに一括でやらせる場合のプロンプト。
以下の処理をするPythonスクリプトを書いて実行してください。
【入力】
- 動画ファイル: /tmp/test.mp4
【処理】
1. auto-editorでジェットカット
- margin: 0.2sec
- threshold: 0.04
- 出力: /tmp/cut.mp4
2. Whisperで文字起こし
- モデル: turbo
- 言語: 日本語
- 形式: srt
- 出力先: /tmp/cut.srt
【完了時】
- 各ステップの処理時間を表示する
- 出力ファイルのパスを表示する
- cut.srtの先頭3行を表示して内容を確認できるようにする
よくあるエラーと対処
No such file or directory
ファイルパスにスペースや特殊文字が含まれている。ファイルをリネームするか /tmp/ にコピーしてから処理する。
externally-managed-environment (pip install時)
pip3 install openai-whisper auto-editor --break-system-packages
Whisperが途中で止まる 初回のモデルダウンロード中。ダウンロードサイズが大きい(turboは約1.5GB)ので待つ。
auto-editorで音がない動画になる
音量閾値が高すぎる。--edit audio:threshold=0.02 に下げてみる。
SRTをPremiere Proにインポートできない
ファイル拡張子が .srt になっているか確認。Whisperが .srt ではなく .txt で出力している場合は --output_format srt を明示する。
- 1. 🎬動画編集の全体像と工程を理解する — Claude Code自動化の前に知っておくこと【第1回】
- 2. 🛠️環境構築 — ffmpeg・Whisper・auto-editorをMacにインストールする【第2回】
- 3. 🎞️ffmpegの使い方 — 動画処理の基本コマンドをまとめる【第3回】
- 4. 🎤Whisperの使い方 — 音声を文字起こしてSRT字幕を生成する【第4回】
- 5. ✂️auto-editorの使い方 — 無音区間を自動カットしてジェットカットを実現する【第5回】
- 6. 🤖Claude Codeで全工程を自動化する — プロンプト設計とスクリプト統合【第6回】
- 7. 📝Premiere ProにSRT字幕をインポートする — 編集可能な字幕テロップを作る【第7回】
- 8. ⚖️クライアント案件での半自動ワークフロー — 自動化の境界線をどこに引くか【第8回】
- 9. 🔬Claude Code と Premiere Pro の MCP 連携 — 現状と限界【第9回】
- 10. 📋ゼロから粗編集を自動化する実践手順書 — コピペで動かす【第10回】
- 11. 🎛️精度チューニングガイド — コンテンツ別の設定最適化【第11回】