ffmpegの使い方 — 動画処理の基本コマンドをまとめる【第3回】
ffmpegは動画・音声処理のCLIツールで、事実上の業界標準だ。有料の動画編集ソフトの多くが内部でffmpegを使っている。
Claude Codeで動画編集を自動化するとき、実際の処理をするのはffmpegだ。Claude Codeはffmpegコマンドを生成・実行するだけで、動画を直接操作する機能を持っていない。
インストール
brew install ffmpeg
基本の構文
ffmpeg -i 入力ファイル [オプション] 出力ファイル
-i は input(入力)の意味。オプションは入力と出力の間に書く。
よく使うコマンド
動画の情報を確認する
ffmpeg -i input.mp4
解像度・コーデック・フレームレート・音声トラックの有無などが表示される。
フォーマットを変換する
ffmpeg -i input.mov -c:v libx264 -c:a aac output.mp4
-c:v libx264— 映像コーデックをH.264に指定-c:a aac— 音声コーデックをAACに指定
特定の区間を切り出す
ffmpeg -i input.mp4 -ss 00:01:30 -to 00:05:00 -c copy output.mp4
-ss— 開始時間(時:分:秒)-to— 終了時間-c copy— 再エンコードせずコピー(高速)
音声を抽出する
ffmpeg -i input.mp4 -vn -acodec pcm_s16le output.wav
Whisperに渡す前に音声だけ抽出したいときに使う。
-vn— 映像なし(video none)-acodec pcm_s16le— 非圧縮WAV形式
字幕ファイルを焼き込む
ffmpeg -i input.mp4 -vf subtitles=subtitle.srt output.mp4
-vf subtitles= の後にSRTファイルのパスを指定する。字幕が映像に焼き付けられる(ソフト字幕ではなくハード字幕)。
日本語フォントを指定したい場合:
ffmpeg -i input.mp4 \
-vf "subtitles=subtitle.srt:force_style='FontName=Hiragino Sans,FontSize=24,PrimaryColour=&Hffffff'" \
output.mp4
複数ファイルを結合する
テキストファイルにファイルリストを書いて結合する。
# concat.txt の内容
file 'part1.mp4'
file 'part2.mp4'
file 'part3.mp4'
ffmpeg -f concat -safe 0 -i concat.txt -c copy output.mp4
解像度を変更する
ffmpeg -i input.mp4 -vf scale=1920:1080 output.mp4
アスペクト比を維持しながら横幅だけ指定したい場合:
ffmpeg -i input.mp4 -vf scale=1280:-1 output.mp4
-1 にすると自動計算される。
ビットレートを下げてサイズを圧縮する
ffmpeg -i input.mp4 -b:v 2000k -b:a 128k output.mp4
Claude Codeへの指示例
ffmpegの基本を知っていれば、Claude Codeへの指示が具体的になる。
# 曖昧な指示(動かない)
「動画を編集して」
# 具体的な指示(動く)
「input.mp4 の 1分30秒から5分00秒を切り出して output.mp4 として保存する
ffmpegコマンドを書いて実行して」
「以下の要件でffmpegコマンドを生成して実行してください:
- 入力: input.mp4
- subtitle.srt の字幕を焼き込む
- フォントサイズ: 28px、色: 白
- 出力: output_with_sub.mp4」
よくあるエラーと対処
No such file or directory
ファイルパスが間違っているか、ファイル名に特殊文字が含まれている。macOSのスクリーン録画ファイルはU+202F(ナローノーブレークスペース)を含む場合がある。
Stream map '0:a' matches no streams
音声トラックがない動画に音声オプションを指定したとき。-an オプションで音声なし出力にするか、音声付きの素材を使う。
codec not currently supported in container
コンテナ(mp4など)とコーデックの組み合わせが合っていない。mp4コンテナにはH.264(libx264)とAACの組み合わせが安定している。
まとめ
ffmpegは覚えることが多いが、Claude Codeと組み合わせる場合は「何ができるか」を把握していれば十分だ。具体的なオプションはClaude Codeに生成させればいい。
次回はWhisperを使った文字起こしとSRT字幕ファイルの生成を解説する。
- 1. 動画編集の全体像と工程を理解する — Claude Code自動化の前に知っておくこと【第1回】
- 2. 環境構築 — ffmpeg・Whisper・auto-editorをMacにインストールする【第2回】
- 3. ffmpegの使い方 — 動画処理の基本コマンドをまとめる【第3回】
- 4. Whisperの使い方 — 音声を文字起こしてSRT字幕を生成する【第4回】
- 5. auto-editorの使い方 — 無音区間を自動カットしてジェットカットを実現する【第5回】
- 6. Claude Codeで全工程を自動化する — プロンプト設計とスクリプト統合【第6回】